介護&育児と老老介護

この度、令和8年7月28日に発生した「令和8年熊本地震」により亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。予断を許さない状況が続いておりますが、被災された皆さまの安全と被災地の一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。
また、被災地における救命・救助活動や支援活動に尽力されている方々に深く敬意を表します
最近読んだ本の中に『介護&育児。ダブルケアの思い』と『老老介護』の文面があり、私の周りにも両方に当てはまる方が多く存在し、中には介護のために退職を余儀なくされたケースもあり、改めて胸が締め付けられる気がしました。少子高齢化が加速度的に進んでいるこの国において、切実な問題だと思っています。まず「老老介護」とは、介護者と被介護者がどちらも65歳以上の高齢者となっている状態のことで、夫婦や親子、兄弟など、その構成はさまざまらしく75歳を超えている方同士の場合は「超老老介護」と言われているとのこと。日本では老年人口である65歳以上の高齢者が全人口の25%を超え、4人に1人が高齢者という状況らしくそれに伴い、老老介護・超老老介護も増加しています。
2017年の厚生労働省による国民生活基礎調査によると、老老介護は在宅介護を行う全世帯の約5割、超老老介護は在宅介護を行う世帯全体の約3割にのぼっており、今後もこの割合は増え続けることが予想されています。また、同年に厚労省が発表した介護保険事業状況報告によると、全国の要介護・要支援者は約636万人で、10年前の2007年と比べると約200万人増加。こちらも老老介護を加速させる要因のひとつになっているとのことで。
老老介護や超老老介護は介護する側が「介護うつ」に陥ったり、自殺や要介護者への虐待などにつながったりする可能性があるといわれていますね。我が家でも親が認知症を患い仕事と家庭と介護の重圧に見舞われたこともありましたが、何とか乗り切った経験があります。まだこちらも高齢者と呼ばれる年齢には達していなかったこともあり、認知症高齢者が認知症高齢者の介護を行う状態ではありませんでしたけど。しかしながら近年では、認認介護も老老介護と同様に増えつつあるようで他人事とは思えない気がいつもしています。それに伴う悲劇のニュースなどを目にしますと、余計に心が締め付けられる気がしています。また「子育て」と「介護」。どちらかだけでも大変なのに、両方同時になんて一体どうなるの・・・?また、子育てと家事、更には仕事をこなしながら「元気な私が動かなければ」「病気の本人に心配かけないように」「周囲に迷惑をかけないように」「子どもを犠牲にしないように」とプレッシャーだらけで、朝から晩まで全力疾走の日々を過ごされている方々も多くお見えになることと思います。 少子化と高齢化の同時進行や、晩婚化・晩産化に伴い、子育てと介護を同時に行わなければならない世帯(ダブルケア)の増加が予測されています。平成28年3月に公表された内閣府の調査によると、未就学児の育児と介護を同時に行っているダブルケアラーは約25万人と推計され、そのうち8割が30~40代と働き盛りの世代で、約66%が女性だと統計に示されていました。「家族の介護が必要になったため、子どもの保育施設を探している」という相談が増えていると、近所の学童保育に勤務されているスタッフさんに聞いたことがあります。障がいのあるきょうだい児のケア、病気のパートナーのケア、自分の体調不良などの多重介護の状態を含めるとダブルケアの形は様々のようで、時には「仕事と子育てで多忙な上に急に介護が始まり、疲れ果て、自分が心の不調に…」とダブルケアが引き金で新たなケアが生まれることも珍しくないとの話もお聞きしました。小さな家族の中で、どんどん大変な状況が積み重なると、気が付いた時には身動きができない状態になっていることも珍しくないと思います。ダブルケア経験者の4割近くが備えをしていなかったとのデータもあるようです。ダブルケアの必要な「備え」を知りたくて、あれこれ調べていたら必要な「備え」は主に四つあるとのことでした。一つ目の「備え」は支援や制度の確認です。「高齢者福祉」「児童福祉」「障がい者福祉」と制度上は縦割り状態の中、ダブルケアは「狭間の問題」です。そのため窓口がバラバラになってしまい、支援につながるまでに疲れ果ててしまう家族を多く見てきました。事前に自分に関係しそうな複数の分野の支援先のイメージをうっすらでも知っておくことはダブルケアの基礎体力となります。二つ目は仕事に対する「備え」です。ダブルケアの経済的な負担は育児と介護で月7万円を超えると言われています(ソニー生命ダブルケア調査2018)。経済的な負担が大きい一方で、男性の8.4%、女性の11.6%が離職をしています。その理由として必要な支援につながるまでは、家族が主体となって対応しなければならないことが多くあることが挙げられます。ダブルケアと仕事の両立に必要なことは「一人で抱え込まないこと」。職場の理解を得ようと思ったら、介護をしていることを周囲に伝え、必要な情報を共有することです。また介護休業や介護休暇は「仕事を続けるための準備期間」として活用し、具体的な目標を持って動くことが必要です。仕事はダブルケアの状況下において、精神的な逃げ場となったとの声もよく聞かれます。また仕事は自分のキャリアでもあります。人生で大切なものが守られることは充足感となり、生きる力となります。三つ目の「備え」は生活状況の把握です。昨年、私たちが実施した子育て家庭の家事・育児のニーズ調査によると、未だにケアワークの主体は圧倒的に母親でした。それだけでなく、女性に比べて男性は、ケアワーク全般のコストに対する意識が低い傾向がみられました。いざという時に「こんなにかかるのか」と夫婦で口論になるなど、意識の違いもまた、ストレスとなります。そこで大切になるのは「会話」です。普段から、時間やコストが「何に、どれくらい」かかっているかを具体的に共有しておくことが大切です。また、ダブルケアをしている方からは、「子どもに対して余裕がなくなってつらい」など子育てへのしわ寄せをつらいと感じる声が多く聞かれます。「どちらかをしようとすると、どちらかがおろそかになって当然」と自分たちの事情に納得し、どう優先順位をつけるかを決めるようにすることで心の負荷を最小限におさえることができます。また、少し大きくなった子どもは人の役に立つことを喜びます。無理のないことで子どもに役割を与え、できたら「ありがとう、助かったよ」と感謝を伝えることで、子どもの自己肯定感が育つチャンスになるのです。 そして四つ目の「備え」は「介護される側になるであろう家族と話し合っておくこと」です。ダブルケアは担い手の大変さがフォーカスされますが、介護をされる「本人にとって大切なこと」が実は大事です。ダブルケアについて介護される側に近い高齢のみなさんは、「子どもの犠牲、しわ寄せは望まない」「介護で仕事をやめさせたくない」などの声が多くあるとのことでした。
(ケアスル介護ホームページより/東京都産業労働局ホームページより一部抜粋

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キャリアコンサルタント 橋本 広高

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