作者は、狭野弟上娘子(さののおとがみをとめ)とされています。
意味としては、『あなたが行く長い道のりを、手繰り寄せ、焼き滅ぼしてくれる天の火(ひ)があったらよいのに。』ということで、中臣朝臣宅守(なかとみのあそんやかもり)と狭野弟上娘子(さののおとがみをとめ)との贈答歌(3723番歌から3785番歌まで63首あります)のひとつです。
万葉集巻十五の目録には、「中臣朝臣宅守(なかとみのあそんやかもり)が、蔵部(くらべ)の女嬬(じょじゅ:女官)である狭野弟上娘子(さののおとがみをとめ)をお嫁さんにしたが、中臣朝臣宅守が流罪(るざい)となって、越前国(現在の福井県)に送られることになりました。このとき、夫婦が別れ別れになってもう逢えないことを嘆いて、二人がそれぞれの悲しみの心を表して、贈り答える歌」とあります。3月は学校でも職場でも別れの季節。
卒業式、退職、転勤、人事異動などいろいろな場面が用意される月ですよね。私の職場でも3月末日に1名の女性が退職されます。10年のベテランの女性で仕事に対する姿勢はとても厳しい方でした、入局したときにたまたま彼女の業務をいろいろ引き継ぐこととなり、教えてもらったのが縁の始まりでしたが、4年間仕事上のことで多くの意見を戦い合わせてきましたが、しっかりとした理論的根拠に基づいた話をされる女性で学ばせてもらうことも数多くありました。最後の2年間ほどは席が隣だったこともありより多くの会話を交わすケースがありましたが、今月も有休を消化されるとのことでこの後も2日間しか出勤されませんが、最終出勤日にこの歌を贈りたいと思っています。ぶつかったことも幾度もありましたが、お互いに真剣に物事を考えていたことの表れかもしれませんね。『大きな組織の力を借りて、自分の理想を追求する』お互いにこのような考えが根っこにあり、手段方法は異なるにしても、何とか現実のものにしようと努力していたことは事実です。その相方がいなくなるのは、正直寂しい気持です。組織の中でお互いの持つ理想形に少しでも近づくことができれば・・・と思っていましたが、現実はなかなか簡単ではありません。しかしながらお互いに以前記しました『一歩後退。されど二歩前進!』の気持ちだけは、離れましても持ち続けたいと思っています。
いつかまた、きっと何処かで・・・・・。

