「〇〇の壁」。巷でよく使われている言葉ですね。新聞紙上では今は扶養の限度額とされている103万円の壁という言葉が踊っていますが,他にも資格試験の合格率〇%の壁とか、採用における年齢の壁・・・etc。一方で「ガラスの天井」という言葉もよく耳にしますね。「ガラスの天井」とは、「glass ceiling(グラスシーリング)」を語源とし、組織内で昇進に値する人材が、性別や人種などを理由に不当に低い地位に据え置かれることを意味する言葉だそうです。ガラスのように目には見えないが、確実に昇進を阻む存在があるということを意味する言葉といわれており、女性への差別撤廃の動きが進んだ1980年代後半のアメリカで生まれたといわれています。
「ガラスの天井」は、特に女性の能力開発を妨げたり、上級管理職への昇進昇格やキャリア形成を阻害したりする要因として用いられることが多い言葉だそうです。女性というだけで一定以上の役職に就くことが難しいケースは、ガラスの天井の典型例と言えるでしょうね。「ガラスの天井」に似た言葉に、「壊れたはしご」というものがありますね。
「ガラスの天井」が「天井に達するまでは男女差がない」という前提に立つのに対し、「壊れたはしご」は「最初の昇進の時点から男女で進むコースが異なる」という状況を指すものだそうです。2019年に米国コンサルタント会社が主体となって発表した報告書「Women in the Workplace 2019」で言及されました。女性に最初から昇進昇格が困難な道を進むことを要求するものであり、「ガラスの天井」と合わせて女性がキャリアを構築していくうえでの大きな課題とされているといわれていますね。
最近、私もこの「〇〇の壁・ガラスの天井」に近い経験をしました。とある大手の某企業様が2025年度の『特殊プロジェクト?のスタッフ』の登録募集の案内を見まして説明会を経て応募しましたところいただいた返事か『◎◎(→プロジェクト名)についてのお考えを拝見させていただき、とても強いお気持ちがあることが十分伝わってきました。
しかし残念ではございますが、当社の採用規定が65歳までとなっておりますため、採用についてのお話しを進めることができないことご理解いただければと思います』。
どれだけ強い気持ちを持っていても、新しいプロジェクトにマッチングした資格を持っていたとしても『年齢の壁』だけは超えることができない現実を改めて知らされました。
このプロジェクトに参加するということは現在の職場を退職することにもなるわけですが、いつでも自らにチャレンジャーとしての精神を持ち続けるために熟慮した結果のことでした。同じ思いに何度も巡り合った方も多いと思います。実際にこの「〇〇の壁」や「ガラスの天井」「壊れたはしご」に夢を阻まれた方々も多くおられるかもしれません。
今回意外だったのはこの企業様は若年者から老年齢者までを対象に幅広く支援活動を生業とされている企業様であったので、そのような企業様でも社内ルールで「年齢の壁」を設けている現実を突きつけられたことです。中高年齢者の支援をメインにしている私にとっては、また一つ自分自身を成長させてくれる大きな経験だと思っています。
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